ビーズは本来ロザリオ(祈りの用具)に使用される数珠玉を指し、何世紀にもわたり世界中で装飾品として宗教的な表敬として使われてきました 1900年代初頭までに作られたビーズは加工技術が今と異なり独特の風合いがあります。加工技術が確立された時期にプラスチックビーズも大量に生産されました。 21世紀のスワロフスキー全盛期を経て現在はヴィンテージ・ビーズなどヨーロッパのビーズや天然石ビーズが人気を集める時代になっています。均等の品質で大量生産できるものより、ひと粒ずつが個性を持ったビーズが人々の心を掴んでいます。

アンティークビーズとは、新しいもので30年前、古いものでは何千年も前に生産されたビーズのことをいいます。正式には30~60年ぐらい前に生産されたものは「ヴィンテージビーズ」、それ以前に生産されたものは「アンティークビーズ」に分類されます。ヴィンテージビーズの特徴はなんといっても独特の色合いと遊び心、凝った表面の質感の 処理など...。どれも現代のものには見られない個性的な魅力を備えており、ハンドメイド アクセサリーのアクセントとして独特の雰囲気をもたらします。

婦人用の装身具・ジュエリーには通常、貴石や宝石を使って華やかな世界を演出します。これに反してほとんど貴石や宝石を使わないで真珠でもルビーでもキャッアイでもすべて人間が作り出し天然石を使わない装身具,時に本物以上の素晴らしい存在感を放つアクセサリーをコスチュームジュエリーと呼んでいます。本物の宝石は自然の創造ですが、コスチュームジュエリーは人間の叡知による宝石、というコントラストを描きます。宝石の代用品ではなく、石の値段にかかわらず芸術的可能性飛躍させてくれるものとしての側面を強く持ち、多くのジュエラーとメーカーが誕生しました。

先駆者としてココシャネルは特に有名です。パリでは第一次大戦後に女性の社会参画が進みクリスチャン・ディオール、スキャパレリらが、続いてアメリカではミリアムハスケル、ジョセフ・オブ・ハリウッドらが活躍しました。1920年にフランスでは宝石に重い関税がかけられましたが、コスチューム・ジュエリーはそれを逆手に取るかのように発展を続けました。ハリウッドやニューヨークのスター達はそれらのジュエラーやメーカーと手を組み多くのジュエリーを世に送り出しました。1940年頃には、それらを身に付け舞台に上がるスター達のへの憧れが、一般女性の支持を得るに至ったのです。

ミリアムは24歳の頃に、ニューヨークに「ミリアム・ハスケル」というコスチュームジュエリーショップを出店しました。”エレガントな淑女というものは、イベントやパーティのたびに、服やジュエリーを取り替える”。商品の大部分がフランスのもので、そのパリの香りがニューヨーカーに受け入れられ飛ぶように売れたのです。2年後には自身の作品を発表し始めました。「アメリカンボォーグ」「ハーバース・バザー」といった雑誌に大々的に広告し、ハスケル作品の知名度を広げました。一躍トップスターとして躍り出て多くの女性達、そしてハリウッド女優達をも魅了していったのです。